辺に正の重みが付いた有向グラフ $G = (V,A)$ を考える. 頂点数 $n\coloneqq |V|$ ,辺数 $m\coloneqq |A|$,辺 $e\in A$ の重みを $w_e$ と書く. この勉強会では辺重みの整数性を仮定する(すなわち $w_e\in \mathbb{Z}_{\gt 0}$ が成立). このグラフの頂点 $s,t\in V$ に対して s-t フロー と s-t カットを以下で定義する.
辺の流量ベクトル $\bm{f}=(f_{e_1},f_{e_2},\dots,f_{e_m})$ であって以下を満たすものを s-t フローと呼ぶ
直感的には $s$ から $t$ に水を流す方法. ただし辺 $e$ は高々 $w_e$ しか水を流せない(辺の容量).
$s$ を source(源泉) $t$ を sink (水の溜まる低地)と呼ぶ.
フロー $\bm{f}$ の流量を $\sum_{sv\in A}f_{sv} - \sum_{vs\in A} f_{vs} = \sum_{vt\in A}f_{vt} - \sum_{tv\in A} f_{tv}$ で定義する.
実際には $s$ に入る辺や $t$ から出る辺は無いことが多く $\sum_{sv\in A}f_{sv} = \sum_{vt\in A}f_{vt}$ と考えて良い.
直感的には流れる水の量.
与えられたグラフに対して流量最大のフローを求める問題を最大流問題と呼ぶ.
青文字が流量11のフロー
頂点集合の組み $(S,T)$ であって以下を満たすものを s-t カット と呼ぶ