記号

$[n]\coloneqq \{1,2,3,\dots,n\}$

$\mathbb{Z}_{\geq 0}\coloneqq \{0,1,2,3,\dots\}$

$\mathbb{Z}_{\gt 0}\coloneqq \{1,2,3,\dots\}$

代数的構造例

モノイド(monoid)

集合 $S$ と $S$ 上の二項演算 $\text{op} : S\times S\rightarrow S$ の組み $(S, \text{op})$ であって以下の条件を満たすもの 簡単のため $\text{op}(a,b)$ を $a\cdot b$ で表す.

集合をあまり気にしない時は二項演算だけを指すことも多い.

例えば足し算 $(\mathbb{Z}_{\geq 0}, +)$ はモノイドである.(つまり $\text{op}(a,b)\coloneqq a+b$)

結合法則:任意の非負整数 $a,b,c$ について $(a+b) + c = a + (b+c)$ が成立 単位元:任意の非負整数 $a$ について $a+0 = 0+a=a$ が成立

また,累乗 $(\mathbb{Z}_{\geq 0}, \text{pow})$ はモノイドではない.(つまり $\text{op}(a,b)\coloneqq a^b$)

$(2\cdot(3\cdot2)) = 2^{(3^2)} = 2^9 = 512$ $((2\cdot3)\cdot2)) = (2^3)^2=8^2=64$ なので結合法則が成立していない

任意の $a,b\in S$ について $a\cdot b=b\cdot a$ が成立する時**可換(commutative)**という.

可換モノイドの例

$(\mathbb{Z}{\geq 0}, +), (\mathbb{Z}{\geq 0}, \times),(\mathbb{Z}{\geq 0}, \max),(\mathbb{Z}{\geq 0}, \gcd),([10^9], \min),(\mathbb{Z}_{\geq 0}, \text{or})$

非可換モノイドの例

$(M_n(\mathbb{R}), \times)$ ($n$ 次正方行列の積)